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外観検査
現在、電子デバイスの外観検査は自動外観検査装置が主流となり、大量生産には欠かせないものとなっています。
自動外観検査装置を導入することで、早期な不良検出や品質の向上、コストの削減が見込まれますが、自動外観検査装置には高解像度カメラや電子顕微鏡、レーザー計測器などが使用され、計測したデーターを処理するためのソフトウェアも必要になり、高額な設備投資が必要です。
また、商品を製造するのは社内の従業員です。
マシーンオペレーターの教育、モチベーションや作業効率などのパフォーマンスの向上のための費用も不可欠です。
設備を導入するためには、コストパフォーマンスが最重要になってきます。
・一定期間内での売上の予測(○○○○億個/年×継続予想年数)
・費用の予測(製造や販売にかかる直接的な費用の他に、継続的にかかる物流費や光熱費など)
そのために大前提となるのが、汎用品の[大量生産]です。
このように高額な自動外観検査装置を導入し一定期間で利益を上げていくためには、少量の製品や特殊な製品では装置の切替や調整の頻度、それにかかるコストが上がり作業効率が低下するため、汎用品デバイスのような大量生産の製品に限られます。
したがって投資利益率に合わない製品は、【目視外観検査】が必要になってくるのです。
外観検査とは
1.はじめに
製品や部品の品質を守るために大事なことは、仕様通りに作られているという他に、傷や異物混入などの不具合がないということです。そのために、仕様通りかどうかは、機能検査で確認します。一方、傷や異物混入の確認する方法が、外観検査です。
外観検査で確認する項目は、製造業界ごと、その製造業界の中でも製作している製品・部品ごとに、皆違っているため、外観検査の方法も膨大なものです。さらに、現在のように大量生産が前提となっている製造現場では、人の手で一つ一つ検査することはできません。
そのために、製造現場で必要なことは、機械で検査する手法になります。これから、外観検査する方法について紹介します。
また、外観検査装置をラインに追加して、
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省力化、省人化してコストダウンしたい
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生産性アップして売上を上げたい
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人的ミスを減らして品質価値を高めたい
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どのメーカーの装置、ロボットを使えば効率的かわからない
場合は、関東最大級のロボットSIer、日本サポートシステムまでお問い合わせください。1)
2.外観検査とは
(1) 外観検査
図1に外観検査のイメージ図を紹介します。

外観検査とは、部品や製品の品質を維持・保証するために外観をチェックする検査です。
主に部品や製品の表面に付着した異物や汚れ、傷、バリ、欠け、変形などの外観上の欠陥を確認し、良否判定を行います。
外観検査は、業界や製品を問わず実施される人間の五感の一つ、「目」による「目視検査」が主流です。目で不足であれば、ルーペや顕微鏡を使って検査します。2)
(2) 外観検査の分類
外観検査の項目と内容を、製作段階ごとに分類してみましょう。
◆ 製作段階の検査(仕様・形状・構造など)
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仕様図面形状との差・変形・欠損
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組立・組み合わせの差・位置ずれ
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図面寸法との差
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使用色・色調の差、変色や色ムラ
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印刷指定(文字・位置など)との差
◆ 表面処理後の検査
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表面の見栄え・感触(凹凸、シワ、ムラ、クモリ、異触感)
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表面にできた傷や擦れ
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付着物、汚れやチリ、異物などの付着
◆ 製品組み立て後の検査
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仕上がりの程度、バリや突起、欠け、加工跡 3)
(3) 外観検査の目的
外観検査の目的について、イメージを図2で紹介します。
外観検査を初めとした製品に対する検査は、図2で表している順序で検査結果が調査され、不良品の根本原因と対策を決定し、品質を確保することが製品検査の目的です。

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外観検査は、部品・製品の品質が規格値にあっているかどうかを判定する製造工程の1つで、部品や製品の不良品が出ないようにするために行われます。
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もう一つの外観検査の目的は、不良があればその原因を解明し、以後そのような不良が発生しないように対策をとることです。
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検査工程で見つけられた不良と原因は、設計と製造に伝達され、同様な不良が起きないように、品質が確保された製品を製造するためのデータとして蓄積されます。4)
(4) 外観検査で重要なこと
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外観検査で重要なことは、事前に検査基準を明確にしておくことです。外観検査のような目視検査は、判断基準が曖昧になりやすいため、検査員ごとに違う結果が出ることもあります。
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そのために、仕様書・検査基準書のような文字と写真だけではなく、合格・不合格の判断が目で見てわかるような基準「限度見本」「不良見本」「標準見本」を使います。
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また、傷や異物などの形状を面積かした基準ゲージ「ドットゲージ」で、合格・不合格の判定基準を明確にします。このような人の感性によらない判定ツールが、生産現場では利用されています。5)
3.外観検査で検出できる欠陥の種類
外観検査で検出しなければならない欠陥の種類を、業種・製品ごとにどのようなものがあるかを、表1で紹介しましょう。6)


(「表1 外観検査の対象となる製品・部品の欠陥例」より筆者作成)
1)2)3)4)5)6) 日本サポートシステム株式会社.おしえてJSS 画像処理に関する記事.外観検査装置で検出できる欠陥の種類やおすすめメーカー5選,https://jss1.jp/column/column_018/,(参照2022-12-19)